macOSのアップグレードは、たいていうまくいきます。うまくいかないものは、たいてい退屈で予測できる理由で失敗します。実は本当のバックアップではなかったバックアップ、読み込まれなくなったVPNクライアント、突然マウントできなくなったNASなどです。Golden Gateは、Intelのサポートとともに、いくつもの古いインフラの部品を取り除くため、新しい原因もいくつか加わります。元になったチェックリストはMacHabitsによるものです。
このチェックリストは、およそ30分かかります。Golden Gateにはアンインストールの手段がないため、アップグレードの前に済ませてください。Tahoeに戻るには、Macを消去して、アップグレード前に作ったバックアップから復元することになります。始める前に、アプリの互換性を確認し、オペレーティングシステムを変更する前に復元可能なバックアップを用意してください。以下の各項目では、何を確認するのか、それがなぜ重要なのか、うまくいかない場合はどうすればよいかを説明します。
1. バックアップを取り、機能することを証明する
一度も復元したことのないバックアップは、バックアップではなく願望です。
外付けドライブまたはネットワーク共有に、Time Machineの新しいバックアップを取ります。そのあとTime Machineを開き、そのバックアップまでさかのぼって、デスクトップのような影響の少ない場所に1つだけファイルを復元します。ファイルが問題なく戻れば、バックアップの連鎖は機能しています。戻らなければ、まだ何の代償も払わないうちにそれが分かったことになります。
バックアップが実際にどこへ行っているかを確認します。
tmutil destinationinfo
結果をよく見てください。 Golden Gateは、AirPort Time CapsuleへのTime Machineバックアップをサポートしなくなり、Apple Filing Protocolも完全に廃止します。保存先がTime Capsuleである場合や、URLがafp://で始まる場合、アップグレードした瞬間にバックアップが機能しなくなります。元に戻すために必要なバックアップも含めてです。
今のうちに直しておきます。
- NASの共有をSMBに切り替え、NASでAFPを無効にします。SMBと一緒にAFPを有効のままにすると、Golden GateのMacで接続の問題が起きたことがあります。
- Time Capsuleを使っているなら、アップグレード前に、バックアップ先をUSBドライブかSMB対応のNASに移します。
- アップグレード前の最後のバックアップは残しておきます。最初の1週間は、Time Machineに間引かせないでください。
もう1つ安全策がほしいなら、別のドライブに作った起動可能なクローンが、元に戻す必要が生じたときにもっとも速く戻れる方法です。
2. 読み込まれなくなる可能性のある機能拡張を見つける
これは、月曜の朝にMacが動くかどうかを左右するステップです。
Golden Gateは、Intel時代の古いコンポーネントに依存するカーネル機能拡張とシステム機能拡張のサポートを終了します。影響を受けやすいソフトウェアは次のとおりです。
- VPNクライアント
- ウイルス対策ソフトとエンドポイントセキュリティ(EDR)のエージェント
- USB、オーディオインターフェース、ネットワークのドライバ
- ファイルシステム機能拡張
- バックアップソフト
- 仮想化ツール
- スマートカードと企業向け認証のミドルウェア
お使いのものを一覧にします。サードパーティ製のカーネル機能拡張は次のとおりです。
kmutil showloaded 2>/dev/null | grep -v com.apple
システム機能拡張は、現在のVPNやセキュリティツールが入っている場所です。
systemextensionsctl list
システム設定 > 一般 > ログイン項目と機能拡張でも確認できます。
すべての項目について、ベンダーのmacOS 27に対する互換性の声明を探します。探すのは、正式リリース版への明示的な対応です。「テスト中」という表現や、ベータ6で動いたというフォーラムの投稿は当てはまりません。仕事用のMacにあるツールなら、ITに確認してください。多くの企業は、セキュリティ構成が認証されるまで、大型のアップグレードを保留しています。確認できない項目は、読み込まれない可能性のある項目です。
3. ネットワークストレージと共有フォルダを確認する
AFPはなくなったので、afp://でマウントしているものはすべて移行が必要です。古いNAS、古いMacの共有、何年も前に設定して忘れていたFinderの保存済み接続が含まれます。
現在何がどのようにマウントされているかを確認します。
mount | grep -E "afp|smbfs"
保存済みのサーバも確認します。Finderで移動 > サーバへ接続を選び、お気に入りと最近使ったサーバの中にafp://のアドレスがないか見ます。サーバでSMBを有効にしたうえで、それらをsmb://の同等のアドレスに置き換えます。いま済ませておくほうが、アップグレード後の最初の朝に共有が見つからないことに気づくより、ずっと楽です。
AFPしか話せない機器があるなら、買い替えるか、その機器と通信するために1台のMacをTahoeのままにしておく時期です。
4. Intel専用アプリを一覧にする
Intelアプリは、Golden GateでもRosetta 2を通じて動作しますが、Rosetta 2は標準ではインストールされなくなりました。Intelアプリを初めて開いたときに、macOSがインストールを促します。Intel専用のオーディオプラグインなど、ほかのアプリの内部で読み込まれるコンポーネントを使っているなら、促す表示が出ない可能性があるため、アップグレード直後にsoftwareupdate --install-rosetta --agree-to-licenseでインストールしてください。Rosetta 2があるからこそそれらのアプリが動くので、頼っているなら、このインストールの手順は省略できません。
期限は来年です。Appleは、一部の古い保守されていないゲームを除き、IntelベースのアプリがmacOS 28では開かなくなることを確認しています。何に依存しているかを調べるのは、今年のうちです。
Optionキーを押しながらAppleメニューを開き、「システム情報」を選びます。ソフトウェア > アプリケーションに進み、「種類」の列で並べ替えます。Intelと表示されているものは、すべてあなたの一覧に入ります。
それぞれについて、ネイティブ版があるか、開発元がまだ活動しているか、何に置き換えるかを確認します。アップグレード前に行うことは何もありませんが、来年の9月ではなく、いま知っておいたほうが安心です。
5. アプリを更新し、再サインインに必要なものを書き留める
すべてをアップグレードの後ではなく、前に更新します。開発者はリリースの前後数日のうちに互換性の修正を出し、OSのアップデート後に何かが「壊れた」ときのもっとも一般的な理由は、古いアプリです。
- App Store:「アップデート」セクションを開き、すべてインストールします。
- App Store以外のアプリ:各アプリの「アップデートを確認」メニュー項目を使います。
- Homebrewを使っている場合:
brew update && brew upgradeを実行します。
システムの動作を変えるユーティリティには、とくに注意が必要です。ウインドウ管理ツール、マウスやトラックパッドのリマッパー、クリップボードツール、メニューバー管理ツールなどです。Golden Gateで、サードパーティ製のマウス用ユーティリティを通じたMission ControlとSpacesの操作が失敗するという報告がすでにあります。各ツールのリリースノートや課題トラッカーで、27.0への対応を確認してください。
もっとも影響が大きいのは、メニューバー管理ツールです。Golden Gateは、アイコンごとにウインドウを1つ使うのではなく、メニューバー全体を1つのウインドウとして描画します。アイコンを隠していたツールは、その古い動作に依存していました。Bartender、Ice、Hidden Barなどのアプリは、ベータ期間中にいずれも動かなくなりました。Golden Gate対応ビルドがあるものもあれば、ないものもあり、公式のAPIを使っているものはありません。メニューバーを丁寧に整えているなら、再構築できるよう、アップグレード前にスクリーンショットを撮っておいてください。
ついでに、別のデバイスから、ライセンスキー、2ファクタ認証のリカバリーコード、パスワードマネージャにアクセスできることを確認してください。アップグレードで何かからサインアウトされることはめったにありませんが、復元することになった場合は、それらが必要になります。
6. 空き容量を作り、特殊な構成を確認する
空き容量は約40GBを目標にします。インストーラは約18GBで、アップグレードにはそれに加えて作業用の余裕が必要です。空き容量は2つの点で重要です。インストーラが展開するための余裕が必要で、そのあとmacOSがインデックスを再構築してモデルをダウンロードするための余裕も必要になります。Finderが「利用可能」と呼ぶ値ではなく、本当に空いている容量を確認します。
df -h /System/Volumes/Data
とくに注意が必要な構成が2つあります。
- Asahi Linuxとのデュアルブート。 ベータ期間中、Golden GateはLinuxパーティションからの起動を妨げることが報告されましたが、データは無事でした。回避策は、古いmacOSボリュームから起動することでした。まずAsahiプロジェクトの現在の状況を確認してください。
- サポート外のMacでのOpenCore Legacy Patcher。 Golden GateはIntel搭載Macをまったくサポートしておらず、パッチを当てたMacも試すべきではありません。Macが予期しない動作を試みないよう、自動アップデートをオフにしてください。
7. タイミングを選ぶ
締め切り、フライト、プレゼンの前夜にアップグレードしないでください。
インストール自体にも時間がかかり、そのあとの最初の1〜2日は通常より遅くなります。Spotlightがインデックスを再構築し、写真がライブラリを再分析し、メールが再インデックスされ、Apple Intelligenceがモデルをダウンロードします。この間のファンの音、発熱、バッテリーの消耗は正常です。アップグレード後の夜はMacを電源につないだままにして、終わるまで任せてください。
待つと決めたなら、Mac側が勝手に決めないようにしてください。システム設定 > 一般 > ソフトウェアアップデートを開き、「自動アップデート」の横にある情報ボタンをクリックして、macOSのアップデートの自動インストールをオフにします。セキュリティ対応はオンのままでかまいません。
チェックリスト
- 新しいバックアップを取り、そこから1つのファイルを復元できた
- バックアップ先がTime Capsuleでも
afp://共有でもない - サードパーティ製のカーネル機能拡張とシステム機能拡張を一覧にし、ベンダーに確認した
- AFP共有と保存済みサーバをSMBに切り替えた
- Intel専用アプリを一覧にした
- すべてのアプリを更新し、ライセンスキーとリカバリーコードにアクセスできる
- 約40GBが実際に空いている
- AsahiやOpenCoreの構成を確認した
- これから1〜2日は落ち着いて過ごせ、夜はMacを電源につないでおける
すべての項目にチェックが入れば、アップグレードで驚くことはまずありません。機能拡張やバックアップの項目のどれかにまだチェックを入れられないなら、それが答えです。入れられるようになるまで待ちましょう。数週間待つコストは小さく、壊れたバックアップや足りないドライバは、丸一日の仕事を失わせかねません。
これらの手順の元の版は、macOS Golden Gateにアップグレードするためのチェックリスト(MacHabits)で確認できます。
このアップグレードの準備についてさらに: MacHabitsによる「macOS Golden Gateにアップグレードする前に:最初にやる7つのこと」の解説。
出典: https://blog.machabits.info/articles/before-you-upgrade-macos-golden-gate-checklist